05/16/2006

Relay 学生用 (型番不明)

今回は、ちょっと理由があって、今日入手したばかりの計算尺を紹介します。

Relay5in

この計算尺は、Relayの5インチ片面尺です。型番は不明ですが、裏面に學生用と書かれていますので、ここではRelay学生用としておきます。

尺度配置は表面の、A [ B, C ] D だけで、滑尺裏面はブランクになっています。
これは、古典的なマンハイム尺の滑尺裏面を省略したもので、これだけの目盛では、乗除算と平方・平方根、応用的な使い方をして立法・立方根程度しか計算できません(これだけできれば十分かもしれませんが)。また、乗除算にしても、CI尺が無いため少々使いづらくなっています。

製造時期について、少々検討してみたいと思います。

まず、RICOHのサイトでこの時代について触れているページを見ますと、

  • 昭和10年 日本文具株式会社を創立
  • 昭和15年 東洋特専興業に社名変更
  • 昭和23年 日本計算尺に社名変更
  • 昭和25年 リレー産業株式会社に改組
  • 昭和33年 三愛計器に社名変更(三愛精工と合併)

と、なっています。これを見ますとRelayであるのは、昭和25年以降のように見えます。

ところが、今回の計算尺では、「學生用」と学の字が旧字体になっています。この旧字体がいつまで使われいたか調べてみますと、昭和21年11月に当用漢字が告示されるまでのようです。
実際に当用漢字に切り替わるまでは時間があったでしょうが、当時はGHQの強権下であったこと、教育関係では率先して切り替えが行われたであろうことから、この計算尺が昭和25年以降の製造であるとは考えにくいと思います。

上記二つが矛盾していて、正確な製造年代の推定は難しいため、これ以上は新たな資料が出てこないとわかりませんが、直感では1940年代後半が有力ではないかと思います。

さて、この記事の最初にちょっと理由があると書きましたが、簡単に説明したいと思います。

実は、この計算尺がYahoo!オークションに出品されていたとき、これは多分、東洋特専興業製だろうと思いまして、その旨をじぇいかんさんのBLOGのコメント欄に書いたのです。そのときは、入札しようか迷っていたのですが、結局落札し、しかも予想が外れていたということで、一応この件にけじめをつけておこうと考えまして、入手したばかりのこの計算尺を紹介させていただきました。

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04/28/2006

RICOH No.151

久しぶりの更新になります。

自分は両面尺よりも片面尺のほうが好きだ、と言いながら片面尺についてはあまり紹介していませんが、片面尺については書きたいことが多すぎて、どこから手を付けたら良いかわからない状態ですので、整理ができたら紹介していきたいと思います。

と言うわけで、今回紹介するのは10インチ両面尺、RICOH No.151です。

Ricoh151_1  Ricoh151_2

尺度配置は、以下のとおりです。

固定尺(上)滑尺固定尺(下)
表面LL~3, LL~2, LL~1, DF CF, CIF, CI, C D, LL3, LL2, LL1
裏面LL~0, L, K, A B, S, ST, T, C D, DI, P, LL0
注記ずらし尺は、π切断

少々の違いはありますが、尺度はHEMMI No.260(KIMさんの計算尺愛好会:計算尺資料館内のページへリンク)とほぼ同じです。ここで断っておきますが、自分はHEMMI No.260を持っていないため、以下の記述はWEB上の資料、あるいは、同形のHEMMI両面尺(No.255)によっています。

HEMMI No.260との違いで目立つ点は、A, B, C, Dの各尺に、オーバーレンジで拡張目盛がある点です。LL尺もほぼ同じ分だけ範囲が広くなっています。

カー ソルには補助カーソル線が無いため(これもHEMMI No.260との違いです)、主カーソル線でオーバーレンジの目盛を読めるように、カーソルの可動範囲が広くなっています。そのため、計算尺の全長は 351mm(実測値)と、HEMMI No.260の320mmよりもかなり長くなっています。

また本体の幅も、約46mmと、HEMMI No.260より1.5mm程度広くなっています。これは、滑尺の幅が少し広いためで、そのため滑尺裏面の三角関数の目盛も、窮屈な感じはしません。ただ表面は、CIF尺とCI尺との間がちょっと間延びしているように見えます。

Ricoh151_3

カーソルの長さ(計算尺の長さ方向の寸法)はHEMMI の10インチ両面尺と同じ約30mmですが、上下のカーソルバーがこれよりも長いため、安定感があります。

Relay/RICOHのカーソルは、参考にあげた写真のようにカーソルバーにアクリル製のカーソルを直接ネジ止めしたものが多いのですが、今回の物は、メタルフレームに嵌っています。一見ガラスカーソルのようにも見えますが、嵌っているのはアクリル(多分)です。
アクリルカーソルはガラスカーソルと比較すると、擦り傷が付きやすいのが欠点ですが、このカーソルではメタルフレームの陰、固定尺と接する部分に小さな突起があり、直接擦れるのを防いでいます。

今回紹介した物の製造刻印は、「RS-5」です。

計算尺MLでの情報によると、Relay/RICOHの計算尺の製造刻印は、1文字目が製造年を示していて、「A」が1952年にあたり、以下「B」=1953年、「C」=1954年……と続きます。
2文字目は、製造工場を示す符号で、「S」が佐賀工場製、「K」が埼玉県の川越工場製だそうです。
と言うことで、今回紹介した計算尺は、1969年佐賀工場製ということになります。

ここまではほぼ確実なのですが、この後の数字については疑問があります。計算尺MLでは、ここの数字が1~12までのものしか見つかっていないことから、製造月だとする説が有力です。しかし、後半の数字と比較して、前半の数字のものの方が多いという情報もあり、はっきりとは断定できません。

そ れよりも自分が気になるのは、文字の並び順です。製造年・製造工場・製造月という順序は、情報の順序としてはあまり美しくありません(かなり感覚的です が)。これが、製造工場・製造年・製造月という順序なら理解できるのですが。そのためこの数字は、製造ライン番号、あるいは金型番号の類ではないかと思い ます。

この後に、「L」という文字が付くものもあるそうですが、これについてはまったく判りません。

(2006/05/12追記): じぇいかんさんのBLOGRICOH No.151の記事が掲載されましたので、トラックバックさせていただきました。

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12/07/2005

HEMMI No.2641 児童用

hemmi2641HEMMI No.2641は8インチの片面型計算尺です。裏面に旧字体で「兒童用」と書かれていることから、ここでは児童用としました。

尺度配置は表面が、DF [ CF,CI,C ] D,A ([ ]内は滑尺、ずらし尺は√10切断)、滑尺裏面はブランクです。

目盛りの刻みは、5インチ尺の目盛りを8インチに引き伸ばしたもので、同じ8インチ尺であるNo.2640と比べると、間延びしているように見えます。

写真を見てのとおり、滑尺裏面には目盛りがありませんが、この面にもちゃんとセルロイドが張られています。また、カーソルはプラスチック(セルロイド?)製ですが、ばねの付いたしっかりしたものです。

製造時期は正確にはわかりませんが、裏面に「國民學校計算尺研究會 推薦」、「商工省標準規格品」との記述があること、生産国表示が「MADE IN JAPAN」であり、OCCUPIEDの文字が無いことから考えて、1941年(昭和16年)から1943年の間の製造ではないかと思われます (それ以降の可能性も否定できませんが)。

(製造時期の考察の記事を追加しました)

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11/11/2005

HEMMI No.P253 vectolog

hemmi_p253_1以前にも少し書きましたが、自分は両面尺があまり好きではなく、またプラスチック尺も好みではないため、このHEMMI No.P253は普段であれば、欲しいとは思わないような計算尺です。
ですが、ヤフオクでかなり安く出品されていたため、思わずゲットしてしまいました。(これまでにオークションで入手した計算尺の中では最安値です。)

hemmi_p253_2尺度配置は、表面が LL3,LL2,DF [CF,CIF,CI,C] D,L,LL1 、裏面が K,A [B,TI2,TI1,SI] D,DI で、ずらし尺は√10切断です。この配置は、表面の尺度の順序と滑尺裏面にC尺が無いこと以外は、以前紹介したNo.274 と同じです。

本体の材質はプラスチック製で、上下の固定尺を裏面両端のパーツで繋げた構造になっており、固定尺の調整はできません。また、滑尺が固定尺よりも少し長く、基線をそろえたとき両端が少しはみ出すようになっています。
製造時期は刻印が「OF」で1964年6月製です。

使い勝手は思っていたよりも良かったです。
自分が両面尺が好きでない理由のひとつに、両端の金具が滑尺の操作の邪魔になる点があるのですが、この計算尺にはそれが無く、片面尺に近い感覚で操作できます。
また、プラスチック尺は滑尺の滑りが悪いと聞いていたのですが、きちんと手入れさえすれば、そう悪くも無くて、自分がこれまで持っていた印象は食わず嫌いであったことがわかりました。

ただ、ちょっと残念だったのは、計算尺の全長が竹製の10インチ両面尺よりも少し長いことです。自分が普段計算尺を入れている引き出しは、内径が34センチしかなく、この計算尺はケースに入れた状態では入りませんでした。

このNo.P253、今回のものは TI1,TI2尺の45度付近の最小目盛りが10分(= 1/6度)刻みなのですが、他の計算尺のサイトの写真では、30分(= 1/2度)のものも見られます。製造時期による違いだと思いますが、いつごろ変わったのかは分かりません。
HEMMIの他の型番では、No.250、No.251、No.2664S 等にも、同様の違いがあるようです。

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10/11/2005

Relay No.105

これまで紹介してきて計算尺が、すべてHEMMI製だったので、それ以外のものをひとつ紹介します。

relay105_1Relay No.105 です。尺度配置は、表面が K,A [ B,CI,C ] D,L で、裏面が [ S,S&T,T ] ( [ ]内は滑尺)、A,B,C,D尺にはオーバーレンジ目盛があります。
HEMMIでいえば No.64にあたる、RIETZ型計算尺です。

relay105_2HEMMI No.64との違いは、カーソルが1本線であること(No.64/1は1本線ですが)、厚さがNo.64の11mmに対して8mmと薄いこと等があります。
写真のものは、製造刻印がBK-4で、1953年製造です。

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10/09/2005

HEMMI No.274 高校生用(?)

hemmi274-1自分は両面尺よりも片面尺のほうが好きなので、両面尺はあまり持っていないのですが、その数少ないコレクションの中から、HEMMI No.274を紹介します。

No.274はヘンミの計算尺としては末期のモデルです。写真のものの製造刻印は「ZG」で1975年7月製です。ヘンミが一般的な計算尺の製造を終了したのが、1976年頃といわれていますから、その少し前のものです。

hemmi274-2尺度配置は、表面が L,DF [ CF,CIF,CI,C ] D,LL3,LL2,LL1 で、裏面が K,A [ B,TI2,TI1,SI,C ] D,DI ([ ] 内は滑尺)、CF,DF尺は√10切断です。
若干の違いはあるものの、HEMMI No.P253 (vectlog)や、No.264 とほぼ同じ尺度を持っています。よって No.274 は No.P253、No.264 の竹製幅広版だと考えてよいと思います。

No.274は今年3月にYahoo!オークションに出品されるまでは、コレクターにも存在が知られていなかったらしく、そのときはかなりの高値が付きました。しかし2本目以降の出品では、相応の価格に落ち着いてきています。自分の知る限りでは、これまでに計4本出品されていて、そのうちの1本を自分が落札・入手し、今回紹介させていただきました。

hemmi274-3 (10/20 製造刻印部の画像を追加しました)

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10/08/2005

HEMMI No.2640 中学生用

忘れたころの更新です。

hemmi2640_a今回紹介するのは、HEMMI No.2640です。この計算尺は8インチの片面尺で、尺度配置は表面が、l,A [B,CI,C] D で裏面が、[S,K,T] です。( [ ] 内は滑尺)
この中でちょっと変わった尺度といえば l尺です。これはA,B尺に対応するL尺なのですが、左右の基線間の感覚が20cmですので、cm単位の物差しにもなっています。
1枚目の写真の物(a)は、刻印が「HA」ですから1957年1月製です。

hemmi2640_b2枚目の写真の物(b)には、本体に型番の刻印がありませんが、尺度配置等からNo.2640だと思います。(a)との違いとしては、固定尺と背板をつないでいる釘(?)の数が違う、A,B尺にもπゲージマークがある等ありますが、最も目立つ違いとして、CI尺が「逆C」と刻印されている点があります。

hemmi2640_c3枚目の写真の物(c)も(b)と同じく「逆C」刻印の尺ですが、逆Cならびに目盛の数字が単色だという点、背面の目安線が片側にしかないという点が、(b)とは違っています。たぶん(b)よりは古い物だと思います。

(b),(c)の製造時期について考えて見ます。まず、「”SUN”」の表記であることから、戦前・戦中の製造だと思われます。また、型番の2640の26は皇紀2600年を記念しての物とされていますから、1940年以降の物ということになります。
この時期のことを調べて見ますと、「計算尺発達史」(宮崎治助 著)巻末の年表に、1943年(昭和18年)「日本の中学校教科書に初めて計算尺採用さる.」とあります。No.2640は、おそらくこの需要に応えるために製作されたモデルではないかと思います。

(2005/10/12 写真中の、元の所有者名を修正・消去しました)

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09/09/2005

ヘンミ復刻尺 その後

久しぶりの更新になります。

p135k_p02以前紹介した、「ヘンミ復刻尺 No.P135k」ですがその後、すべて再製作・交換ということになりまして、今日、交換した再製作品が届きました。

再製作前の物と比較すると、格段に精度が向上しています。とはいえ、微妙な誤差はあるようです。現在の製造方法での限界ということです。

製造刻印は、再製作前のものと同じ 「ヘ21ED」です。これはおそらく、製造刻印を2005年8月を示す「ヘ21EH」とすると、「ヘ21ED」のものに希少価値が出てしまい、回収・交換がスムーズに行われなくなる可能性があるからだと思います。

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05/28/2005

J.HEMMI No.2 入手!

JHEMMI2
 以前から欲しかった、「J.HEMMI」刻印の計算尺、入手することが出来ました。J.HEMMI No.2です。

 カーソルの形状から見て、大正12年頃の製造だと思われます。若干の傷みはあるものの狂いも無く、現在でも問題なく使用できます。

 J.HEMMI刻印のものは、一本は持っていたかったので、入手できて本当にうれしいです。

 ただ、この計算尺、Yahoo!オークションで落札したのですが、競り合った相手が、計算尺愛好会主宰のKIMさんだったんです。
KIMさん、いつもお世話になっているのにごめんなさい。
この場であやまっておきます。

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05/07/2005

ヘンミ復刻尺 No.P135k

p135k_001
今回紹介する計算尺は、今、最も新しい計算尺、HEMMI No.P135kです。

この計算尺は、計算尺愛好会が企画し、ヘンミ計算尺株式会社に製作を依頼して作られたものです。このことは、3月2日に毎日新聞の記事として取り上げられ、Yahoo!ニュース等にも配信されたので、知っている方も多いと思います。その計算尺がようやく出来上がり、4月下旬から配布が始まり、自分の手元にも届きました。

で、感想はというと、精度の悪さが気にかかります。このことは、計算尺愛好会の復刻プロジェクト幹事団も認識していて、現在、残り分の発送を止めて、対応を検討中とのことです。

しかし、もしこの計算尺をヘンミ計算尺の生みの親である、逸見治郎(1878~1953)が見たとしたら、どう思うでしょうか。出来の悪さに、怒るか、泣いて悲しむかどちらかでしょうね。

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